章 348

李志玲の小さな心臓は一瞬にして喉元まで上がってきた。

そして悪いことに、まさにそのような緊迫した状況で、けたたましい携帯の着信音が突然鳴り響いた。

二人とも一瞬固まった。

趙三斤はわずかに躊躇った後、李志玲の唇から離れ、携帯を取り出して見ると、なんとその電話は秦宛柔からのものだった。

「くそ、本当に因縁だな、いつも肝心なところで出てきて邪魔をする!」趙三斤は心の中で毒づいた。

電話に出るとすぐに、向こう側の秦宛柔が憤然と言った。「この馬鹿者、どこへ消えたんだ?」

あんな大きな声だから、どうやら趙三斤の心配は余計だったようだ。李志玲の部下である二人の中年男性は、秦宛柔に何もできなかったらしい。

...