章 400

秦宛柔はまだ空気を読めるほうで、病室から出ていくことはなかったものの、静かに顔を横に向け、趙三斤を見ないようにした。

一方の葉芷陌はまったく逆で、避けるそぶりを見せるどころか、その美しい大きな瞳を見開き、趙三斤の一挙一動をじっと見つめていた。きらきらと輝く瞳には驚きの光が揺らめき、何か信じられないものでも見たかのようだった……

ぱたり!

突然、かすかな音とともに、黒みがかった赤い血の塊のようなものが包帯に引っ張られ、趙三斤の肩から剥がれ落ち、足元の床に落ちた。

その血の塊を見下ろして、葉芷陌の瞳が一瞬光り、さらに驚きを隠せなかった。

かさぶただ!

いわゆるかさぶたとは、傷口や患部の表面に血...