章 407

「老先生、失礼します!」

貌波邦の目には敵か味方かしかなく、老人も女性も関係なかった。彼は険しい表情で目の前の老人をしばし見つめると、鷹のように鋭い瞳に一筋の冷光が走り、すぐさま一撃を繰り出した。老人の胸を目掛けたその拳は、一メートルもない距離を瞬く間に飛んだ。

この一撃は決して軽いものではなく、まったく手加減などしていなかった。

普段なら若者が老人を虐げるような場面を見れば、趙三斤は必ず出て行って不公平を正し、貌波邦の悪行を止めただろう。だが今、趙三斤にはそんな考えはなかった。なぜなら彼ははっきりと知っていた——貌波邦はこの老人の相手ではないということを。

ほぼ貌波邦が動いたのと同時に、趙三...