章 525

「赵先生、それは少し問題があるのではないでしょうか?」

我に返った馬主任は急いで赵三斤の前に駆け寄り、李全德と共に制止の言葉を口にした。

「患者は私が治療している以上、どんな結果が出ようとも全責任を負う。だが、患者を診させないというのは絶対に受け入れられない」赵三斤の表情は冷たく険しかった。ベッドの上で、叶の母親の様子が明らかに悪化していくのが見て取れた。時間の猶予がないことを知っている赵三斤は、やや硬い口調で言った。「馬主任、どうか道を開けてください」

心の底では、馬主任に対して赵三斤はかなり良い印象を持っていた。特に初対面でそれほど大きな決断を下す勇気を持っていることに、いくらか感動す...