章 590

夏灵墨のオフィスに居座り、趙三斤は大紅袍の茶を飲み干すと、立ち上がって携帯の時間をちらりと確認し、紳士のように腕を広げて微笑んだ。「美しい霊児さん、趙三斤と一緒にランチをご一緒いただけませんか?」

「ぷっ……」突然の趙三斤の芝居がかった行動に全く予想していなかった夏灵墨は、喉に入ったばかりのお茶を思わず趙三斤の顔に吹き出してしまった。

「おいおい……」趙三斤は濡れそぼった自分の姿を呆れた表情で見つめ、頭を壁に叩きつけたくなるような衝動に駆られた。ただランチに誘っただけなのに、こんな大げさな反応をされるとは。

その様子を見た夏灵墨は、体裁も構わず笑い転げた。笑いが収まらず、お腹を抑えながら...