章 645

李秋妍は反対せず、それで趙三斤も余計な手間が省けた。そのため、李秋妍の心の内がどうなっているのかを詮索する心の余裕もなく、これからの予定を詳しく伝え始めた。

「そんなに急いで行くの?」李秋妍は怪訝そうに趙三斤を見つめた。今日中にすべての用事を済ませて、問題がなければ今夜には江海市に向かうというのだ。李秋妍だって大屯鎮にはもうかなり長く滞在しているのだから、知り合いも一人や二人ではないはずだ。今夜出発するとなれば、お別れの食事会すら開けないではないか。

「江海市で処理しなければならない用事があってね、理解してほしいんだ」この件については、結局のところ趙三斤が頼みごとをする立場なので、自然と話...