章 715

盛世国際を後にした趙三斤は、マイバッハ・セダンを運転して江海世貿大廈に直行した。林青青が行方不明になってからずいぶん時間が経ち、上官宛児も一切の面会を拒んでいる状況で、焦りに焦る趙三斤がここまで待てたのは、まさに奇跡と言えるだろう。

江海世貿大廈――夏霊墨の存在を失ったこの場所に来るたびに、趙三斤の心は引き裂かれるような痛みを覚える。それは心の傷口に塩を塗るような痛みで、実際に経験した者にしか分からない苦しみだった。

「寰宇集団」の社名はすでに大廈のフロント案内板に表示されていた。李志玲と姚千羽がこの数日間でかなりの仕事をこなしたようだ。

エレベーターで会社のフロアへ直行し、趙三斤は透明...