章 766

会議ホールに入ってくる人はどんどん増えていたが、趙三斤が知っている人は二人もいなかった。受付で来賓と談笑している三女を見て、自分は確かに会社の社長だが、一人の秘書や株主にも及ばないと感じた。

しばらくすると、韋嫻も趙三斤と姚千羽の期待通りに受付に姿を現した。最初に声をかけたのは姚千羽ではなく、むしろ傍らの柳盈盈が真っ先に迎え出て、笑いながら言った。「早く来るより、ちょうどいい時に来るものですね。韋社長もいらしたんですね。さあ、中に入って少し座っていてください」

柳盈盈の口元に浮かんだ狡猾な笑みに、韋嫻の顔から笑みが少し消え、不機嫌そうに言った。「同じ『寰宇集団』の株主として、私だって外で顔...