章 844

黒河、華夏国の最も辺境に位置するこの地は、「北国の真珠」と称される美しい環境を持つ国境貿易都市である。広大な領土と美しい自然環境を誇る黒河市は、華夏で最初に開放された国境都市の一つだ。

もし朗月が危険な状況に置かれていなければ、趙三斤たち一行は黒河市内に戻り、半日もあれば露国へ入国する方法を見つけられただろう。だが、時間は待ってくれない。

この季節の黒河は気温こそ高くないものの、まだ15、6度ほどはある。長時間水中に潜っていても、少し冷たく感じる程度で骨身に沁みるほどではない。それだけで十分だった。

正直なところ、彼らが1月に来なくて良かった。もしそうなら、凍り付いた川面を打ち砕いて穴を...