章 864

「玉帯の競売開始価格は一千万です。一回の入札額は百万以上でお願いします」オークション会場のアナウンスが再び響き、先ほどと同じく価格だけを告げて後は何も言わなかった。

一千万円の玉帯、これは世界で最も高価な玉帯だろうと趙三斤は思った。しかし彼は知らなかった。かつて裴度という人物がこの玉帯を利用して名を変え、落ちぶれた書生から晋国公へと上り詰めたという伝説があることを。その意味するところは言うまでもない。

もちろん、先ほどの天叢雲剣と同様、これも単なる伝説に過ぎない。具体的にどういうことなのか、誰も明確には知らない。ただ天叢雲剣と同じく、両方とも記録に残されている点では共通している。

趙三斤...