章 871

海と空が接するような景色、国を傾けるほどの美女、赵三斤は今この瞬間、それらを独り占めしているというのに、全く楽しめずにいた。ぼんやりと物思いにふける司乐を見つめ、赵三斤は思わず笑みを浮かべた。

「どうしてそんなに見つめるんだ?」

「べ、別に何でもないわ!」司乐は視線を逸らし、慌てて赵三斤から目を離した。そして落ち着かない様子で周囲の景色を眺め、話題を変えた。「今、島国は不穏な状況なのに、あなたたちはなぜ島国へ行こうとしているの?」

「俺の兄弟がまだ島国にいるんだ。彼らを助け出さなきゃならない」赵三斤は遠くを見つめ、部隊での厳格な姿を思い出し、思わず苦笑した。しばらくして我に返り、「君みた...