章 874

穏やかだった海面が狭い海峡の湾内で急に荒々しくなり、趙三斤たちは眉間にしわを寄せた。両側から迫る山々の木々が密集し、幾重にも重なる様子は、いつ何者かが飛び出してくるかのようだった。

「ここは海賊が最も猖獗を極める場所だと言われている。山を背に水に臨み、攻めるにも退くにも好都合。海面が狭く、船が同時に通過できないため、海賊にとっては絶好の場所なんだ。それに、ここを通る船はほとんどが闇船だから、略奪されても泣き寝入りするしかない。これが、この海賊の巣窟がずっと撲滅されない重要な理由でもある」

趙三斤が何も知らずに困らないよう、司楽は主な問題点を先に説明しておく必要があると感じた。少なくとも、不...