章 940

「どんなに武術が優れていても包丁には勝てず、どんなに腕が良くても銃一発で倒れる」――記憶を失った後、愚直で正直になった趙三斤だが、やはり一つ言っておきたい。それは彼がバカになったわけではないということだ……

屋敷の正門から、敷地外周に最も近い茂みまで、十数人のスナイパーが潜んでいる。趙三斤だって所詮は血肉の体。このままずかずかと出て行けば、自分はあと数十年は生きられるはずの命を無駄にすることになる。

世間では「大難を逃れた者には必ず後福がある」と言うが、趙三斤は大難を逃れた後にまた大難が来るのは御免だ。そうなれば「後福」どころか「後事」になってしまうじゃないか。

「バレット M109はど...