章 1013

2012年6月1日午後14時39分、世界の覇者を含む九カ国が、地球から3万6千キロメートルの軌道上で華夏の南海を監視する24基の軍事衛星が、何の前触れもなく突如として一斉に機能停止した。その中には島国が昨年打ち上げたばかりの北斗七星も含まれていた。

この海域の信号が突然途絶えたことで、華夏南海と太平洋を航行していた数百隻もの大型海上戦闘艦隊は、まるで豪華な装いをした盲人のように、茫然自失のまま原位置に停泊するしかなかった。

自動車が走るには燃料が必要で、ナンパ師が女性を口説くには「第三の足」が必要なように、軍事衛星が海上作戦部隊にとって持つ重要性は、言うまでもないものだった。

かつてのコ...