章 1019

人が大海原で日照りに焼かれ、海水に二日二晩も浸かった時に起きる変化は、単に肉体的なものだけではなく、思考能力にも及ぶものだ。

海で苦しんでいる間、その人はすべての私利私欲を捨て、ただ一つの願いだけを心に抱く。それは、いつになったら陸に上がれるかということだ。

その人、つまり楚鋮が陸に上がった後も、水に落ちる前のことを考える余裕もないまま、ベトナムの三人組の狼に遭遇し、黎園升たちに警察車両に乗せられてペットボトルの水を飲むまで、ようやく「身の外のこと」を気にかける余裕が生まれ、今日はベトナムの何か特別な日なのか、なぜ街中にこんなにデモ行進をする人々がいるのかと尋ねた。

しかし黎園升は彼にこ...