章 1089

「仏典にはこのような言葉がある。憐れむべき者には必ず憎むべき点がある」

アジア大会決勝戦で最も高いオッズを持つ選手として、楚鋏は間違いなく憐れむべき存在だった。しかし同時に憎むべき存在でもあった。なぜなら、この数日間、誰も彼が練習している姿を見かけなかったからだ。

どれほど憐れむべき人間であっても、怠惰であれば憎まれるのは当然だろう。

だから楚鋏がリングに上がった時、会場にいた大多数の人々は彼がボコボコにされる姿を見たいと思っていた。それを見れば、皆の胸のつかえが取れるような気がした。「これだからな、怠け者が!」と。

そもそも、他人が苦しむ姿を見るのは楽しいものだ。特に無期懲役の囚人た...