章 1115

「投名状」として自分の甥の誘拐に加担することで、花残雨はゼウス王から初歩的な信頼を得て、トビリシ第九刑務所へと連れてこられた。

ゼウス王と初めて対面した花残雨は、伝説のゼウス王が女性だったことに衝撃を受けたものの、目にしたのは世界一堅固と言われる刑務所に過ぎなかった。

しかし蒋公瑾は彼に、こここそが真のオリンポス山だと告げた。

蒋公瑾が真のオリンポス山について語る際の目に宿る貪欲な熱狂を見なければ、花残雨は彼が嘘をついていると思っただろう。

だが蒋公瑾は確かに嘘をついてはいなかった。何千万ドルも物ともしない蒋総裁が、まるで金の山を見た守銭奴のように語り始めた。「花残雨、言っておくが、真...