章 1217

楚鐘は確信できなかった。冀南に来てから、柴放肆に目をつけられているかどうか。

そのため、中心病院を出てからずっと周囲の状況に気を配っていた。

予想通りの意外なことに、この道中では何の異変も起きず、すぐに楚鐘は車を運転して新薬工場の入口に到着した。

新薬工場のスライドゲートが少し開いているのを見て、楚鐘はそのまま車を乗り入れた。

門で自ら当直をしていた孫斌は、突然外地ナンバーのBMW(楚鐘が盗んだ車)が堂々と工場敷地内に侵入してくるのを見て、一瞬固まった後、すぐに椅子から飛び上がった。

「どこの車だ!?」孫斌は大声で于老大に命令した。「くそっ、于老大、お前...