章 1271

秦朝が心の中で様々な思いを巡らせていたその時、ふと寝室から誰かが出てくるのに気づいた。

すぐに彼女の胸はドキドキと高鳴り始めた。叶初晴が出てきたのだろうか?

事前に柴紫烟と叶初晴との約束では、まず叶初晴が楚鋮の「お世話」をして、その後で秦朝と交代することになっていた。

もし本当に病人のお世話のような感じで楚鋮の面倒を見るだけなら、秦朝はこんなに落ち着かない気持ちにはならなかっただろう。だって、お世話にもいろいろな種類があるのだから……

秦朝は心臓の鼓動が速くなるのを感じながら、叶初晴に何を言おうかと考えていたところで、寝室の入り口に現れた人物が叶初晴ではないことに気づいた。なぜなら、その人物の...