章 1303

川島芳子は遠くに駅が見えてきたとたん、両腕を引っ込め、再び原油の中に潜り込んだ。

列車はその小さな駅で止まることなく、彼女の願い通りに、ガタンゴトンと音を立てながら先へと進み続けた。

……

夕日が沈み、星空が広がる頃、列車はようやくある小さな町の傍らで停車した。

しかし川島芳子は車両から降りず、依然として油タンクの中に身を潜めていた。彼女は深夜になるのを待っていたのだ。

華夏の西北国境地域は「人煙稀少」とまでは言えないものの、内陸部の繁華さと比べれば、まったく格が違った。

もし内陸のどこかの都市でこれほど明るい夜空が見られるなら、カップルたちはきっと楽しげに踊り、ロマンチックな愛の物語を演じて...