章 1594

柴紫煙は洗面所の壁に掛けられた鏡に近づき、自分の額を見つめた。

元々つるつるだった彼女の額の中央に、今では米粒ほどの大きさの白っぽいニキビが一つ、不自然に浮かび上がっていた。

その周りには、さらに小さな、今にも膨らみそうなニキビが十数個ほど。

指先で額を軽く触りながら、柴紫煙は独り言のように呟いた。「変ね、どうして急にこんなにたくさん出てきたのかしら。もしかして、この御大層なお方が第二の思春期を迎えたってこと?」

女の子の顔にニキビができるのは、ごく普通のことだ。だが柴紫煙はもはや女の子ではなく、れっきとした大人の女性だ……今になって突然こんなものができたのは、...