章 1638

新都市が夜間警戒体制を敷いて以来、「夜間外出禁止令」の時間内に走行する車両が現れたことは一度もなかった。

この禁令が守られてきたのは、新都市の外周警備隊の努力だけでなく、西域省の地方政府による広報活動の成果も大きかった。

だからこそ、事前連絡もなく闖入してきたこの車両を目にした検問所や伏せ組の隊員たちは、「ついに仕事が来た!」と興奮し、気を引き締めて任務に備えていた。

「ふむ」肖紀中は一声呟くと、二人の部下に向き直って言った。「お前たち二人はここで警戒を続けろ。俺はあっちを見てくる」

肖紀中はそう言うと、伏せ組の位置から身をかがめて離れ、検問所へと駆け寄った。

新都市の第一関門を守る兵士たちは...