章 1711

人が眠れなくなったり不眠症になると、夜は長く感じるものだ。

ゼウス王は最近、夜が長く感じていた。長すぎて休みたくないほどに。

かつて黒い部屋に閉じ込められていた頃、ゼウス王が最も切望したのは空を見ることだった。

しかし今やその願いは叶ったのに、今度は夜が長いと文句を言っている。本当に足ることを知らないものだ。

チャイ・ファンシーが去ってから、ゼウス王はボトルの半分以上の赤ワインを飲み干していた。もともと繊細な頬は、暖炉の熱と酒精の二重の「攻撃」を受け、今や艶やかな赤色に染まり、とても魅惑的だった。

これだけ飲んだにもかかわらず、ゼウス王はまだ飲むのをやめるつもりはなく、再び半分グラスに注ぎ、...