章 205

あのまま衝突しそうになった四輪駆動車が停車せず、慌てて逃走するのを見て、梁馨は警察官としてではなく、一般市民だとしても怒りを覚えるだろう。

警察官と一般市民の違いといえば、一般市民ならせいぜい逃げていく四輪駆動車の方向に向かって運転手の先祖代々の女性親族を罵るくらいで、梁馨のようにサイレンを鳴らして追いかけることなどありえないだろう。

両車の速度がどんどん上がり、比較的人気のない郊外へと向かっていくにつれて、梁馨はだんだん冷静さを取り戻した。もしこの車が単に信号無視で衝突しそうになったことから逃げ出しただけなら、時速140キロまで速度を上げる必要はないし、郊外方向に逃げることもないはずだ。...