章 222

楚鐘はその会員カードが楚玄武に贈られたものだとは到底信じていなかった。

富皇ビルに入った時点で、老方の恭しい態度から、楚玄武がここと何らかの繋がりを持っていることは明らかだった。

「ふふ」楚鐘は微笑んでダイヤモンドカードを押し戻した。「ここに来たいと思ったら、君の名前を出した方がカードより効果的じゃないか?」

楚鐘がそのカードを見向きもしないのを見て、楚玄武は彼がすべてを理解していることを悟り、ただニヤリと笑ってカードを戻した。

エレベーターのドアが開き、楚玄武が出て行った。

「三哥、こっちだ」振り返って、職業柄廊下の地形を観察していた楚鐘に声をかけると、楚玄武は部屋の前に立っている...