章 376

荆紅命は言葉で楚鐘を徹底的に辱めただけでなく、次は拳で彼を懲らしめようというのだ!

「去ってもいい、だが立って出ていくことは絶対に許さん!」

この言葉は具体的にどう痛めつけるかを明言していないが、荆紅命がこの言葉を発した時の怒りは誰の耳にも明らかだった。

皆の心の中で、荆紅命はすでに「龍騰」という名前そのものと同じように、神話化されていた。

華夏の軍人であれば誰もが、この名を仰ぎ見る目で見ており、彼と対峙するなど考えもしなかった。

そんな考えを持つ者は、花残雨や北宮錯といった人々だけでなく、楚鐘もその一人だった。

しかし今、楚鐘は荆紅命と正面から「切磋琢磨」する「幸運」を手に入れた...