章 421

「これは全て嘘だったんだ。ソフィーが2012に利用されていた道具だということも含めて!」

秋野杏子の話を聞き終えて、楚鋭の心にあった大きな石が、ようやく下ろせた。なぜだか分からないが、安堵すると同時に、どこか物足りなさも感じていた。

結局のところ、「救世主」から一般人へと「転落」するのは、あまり嬉しいことではないだろう?

「この2012というのは、かなり強大なのか?」鼻をすすりながら、楚鋭は尋ねた。

「十年前の日本の山口紫川組を知っているだろう?君たち華夏の龍騰に壊滅させられた組織だ」

「知っている」

「紫川組の中で最も優れた『危機』グループが、今は2012が管轄する一部門になって...