章 48

柴紫煙が雲水グループ冀南支部の経営権を握ると、彼女は周和平の総経理オフィスを直接「徴用」した。それは分部ビルの十二階にあった。

広告部は十階にあったため、楚錚はエレベーターに乗らず、階段をのんびり上がっていった。

一分後、楚錚は十二階の廊下に姿を現した。どの部屋が董事長室なのかと辺りを見回していると、エレベーター近くの部屋のドアが開き、長身で端正な、風流な若い男が現れた。俺より見劣りするが（楚錚の心の中での評価だ）、その男は楚錚を上から下まで眺め、そっけなく尋ねた。「君が昨日空港にいた楚錚だね。その煙草を消してくれないか」

楚錚がこれまでの人生で最も嫌うことが二つある。一つは父親の楚天台...