章 518

秦朝は遠くから楚鉦を見つめていた。白い歯で軽く唇を噛み、強く握り締めた両手の掌には、爪が食い込んで血が滲んでいた。

その眼差しは、一瞬の激しい感情の後、次第に柔らかくなっていった。まるで夕暮れ時に村の入り口で夫の帰りを待つ妻のように。

この男は、何年も前に彼女を深く愛し、必死に追いかけていた。彼女のためなら、南紫烟との新婚の夜に家を出るほどだった。

しかし当時の彼女は?この男の気持ちを知った時、この男が頭がおかしいとか、行動が馬鹿げていて滑稽だとしか思わず、さらに深い軽蔑すら感じていた。

楚鉦が楚家の三太子という肩書きを持つようになっても、秦朝は彼に好意を抱くことはなかった。

朝鮮半...