章 537

先ほどまで愛し合っていた男女が、今や相手を殲滅しようとする敵同士になっている!

世の中には、こんな滑稽なことがたくさんあるものだ……

何だこのキラー・オブ・キラーズは?完全に卑怯な戦い方じゃないか!

謝妖瞳を殺せるのなら、楼鋭は彼女が完全に理性を失った状態で絡みつかれるなど御免だったから、連続して強い一撃を与えて気絶させようとしたのだ。

だが楼鋭は想像もしていなかった。謝妖瞳は今や有名な殺し屋としての「素質」など微塵も持ち合わせておらず、まるで痛覚神経のない生化人のようだった……狂犬のように、自分の受けた重傷など一切気にせず、抵抗することすら諦め、ただひたすら彼の股間を掴んで廃人にしよ...