章 720

「もし命を賭けて誰かを救おうとしたなら、救助の過程はともかく、救われた人がまだ生きているという事実だけで、救助者にとっては無上の誇りと自信になるだろう。

ましてや、その救助者が高慢ちきな柴紫煙であり、救われる側が何度も彼女を助け、しかも自慢たらたらの楚鋏だとしたら?

確かに彼女は戻ってきた後、ただ舟の上で死を待つように横たわり、楚鋏を捜索するための行動など何一つしていなかった。

でもそれがどうした?どうせ柴紫煙がゴムボートに一人で飛び乗った瞬間から、自分は楚鋏を捜索していると固く信じていたのだ。

そうではないか?

誰がそうではないと言えるだろうか?

『お殿様、私もついにあなたを一度救ったわ!』...