章 856

エミールは田中太郎長老が出手する前に、この男女両方の特徴を持つ男に一度、あまり大きくはないが不覚を取らされていた。

胡滅唐との交手経験があったからこそ、エミールは彼と田中太郎が争い始めた時、彼が必ず敗北すると確信していたのだ。

だがエミールは全く予想していなかった。あの小細工で自分に勝ったように見えた男女両性の男が、数分後には田中太郎の左脇腹を蹴り、そのまま喉を掴んでしまうとは。

エミールたちは驚きの余り、その奥義を見抜いた。もしあの男が手加減していなければ、田中太郎先生は今頃確実に息絶えていただろう。

「おいおいまじかよ、こいつ誰だ?こんなに強いなんて、田中長老でさえ相手にならないな...