章 987

「海燕号」という漁船の排水量は1300トンであるのに対し、「ニズ号」は8000トンもあり、単純に大きさだけで言えば、ニズ号は海燕号の六倍以上もあった。

大きさはさておき、重要なのは船の建造に使われた鋼材と品質だ。軍艦と貨物船を比べれば、後者に使われる鋼材の品質が軍艦の基準に及ばないのは明らかだ。

同様に、専門の貨物船(前部に砕氷装置を備えている)と漁船を比較すれば、両者はまったく格が違う。

おまけに、海燕号は黄北化たちの私有物であり、建造の品質も維持管理も「節約できるところは節約」の原則で行われているのだから、ハパチが命令してニズ号を海燕号に衝突させた際の損害は、まったく次元が違うものに...