章 68

浮き彫り細工が施された堂々とした門構え、その豪華さは並々ならぬもの。駐車場には高級車が整然と並び、カエサル宮の格式の高さを一層引き立てていた。入口では旗袍を纏った女性たちが優雅な立ち姿で両脇に立ち、訪れる客一人一人に笑顔で丁寧にお辞儀をしていた。

「着いたわよ」肖美娜は車をカエサル宮の入口に停めた。

「ありがとう。忘れずに開催日が決まったら連絡してね」欧陽志遠は今、玉器鑑定会の開催のことで頭がいっぱいで、車を降りる際にも肖美娜に念を押した。

「わかってるわ」肖美娜は微笑んで、欧陽志遠に手を振った。赤いフェラーリはエンジンを唸らせ、風のようにカエサル宮を後にした。実に目立つ存在だった。

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