章 1051

裴瑾瑜は陳飛がそう叫ぶのを聞いて、ぎょっとした。順調にカーブを曲がっていた車が、突然急ブレーキをかけて停止した。

さっきのような出来事を経験したばかりなのだから、裴社長がどれだけ胆が据わっていようと、そこまで落ち着いていられるはずがない。

彼女は停車したまま、恐怖の眼差しでバックミラーを見つめた。

まさかまだ決着がついていないのか?

しかし広々とした後部座席で足を組んでいる陳飛が一言発した時、裴瑾瑜は思わず彼の襟首を掴んで車から放り出してやりたくなった。

「あれ?なんで曲がるの?もう少し先の交差点を右に曲がれば、さっき言った火鍋店があるんだよ。おごってくれるって約束したんだから、絶対に...