章 1232

夏可欣は立ち上がり、話そうとしていた石副社長に手で制止を示し、脇に立つよう促した。そして吕卓を冷ややかな笑みで見つめながら言った。「吕さん、あなたが今日私を訪ねてきた理由は分かっていますよ。裴社長がテロリストとして中傷されているからでしょう。でも、はっきり言っておきます。裴社長が戻ってくるまで、誰であっても税務印と財務印を持ち出すことはできません!」

言い終わると、彼女は電話を取り上げ、警備室に電話をかけ、厳しい口調で叱責した。「陳くん、耳が聞こえないの?前回、この吕という男を二度と入れるなと言ったでしょう。耳が聞こえないの?」

前回、夏可欣が警備員に吕卓を会社から追い出させた時、彼女は陳...