章 174

その足のうち1つは、陳飛には金満堂のものだとわかったが、もう一方の足の持ち主は見当もつかなかった。

陳飛は不思議に思った。通常、金満堂が客を迎えるなら必ず前の間でのはずだ。重要な話があるなら、中から大門を閉めるはずなのに、今回は外部の人間を自分の寝室まで連れてきたのか?

陳飛は息づかいをできるだけ静かにし、金満堂のベッドの下の隅で身動きひとつせず、上の様子を聞いていた。

金満堂が部屋に入るとまず立ち止まり、何かに気づいたかのように、素早く本棚の前まで歩いた。つま先立ちの動きから判断すると、金満堂は上の方の本に手を伸ばしたようだった。

陳飛はハッとした。もし金満堂に気づかれたら、自分はほ...