章 306

陳飞はバックパックに残った使えるものと食料を一つにまとめ、ネックレスを大切にしまった。

そしてバックパックを背負い、「行こうか、明月」と言った。

明月は美味しいものをもらって嬉しそうに頷き、チョコレートを懐に入れると、陳飞の手を引いて洞窟を出た。

陳飞は胸がいっぱいになった。まさに、窮すれば通ずるとはこのことだ。

気分が良くなり、自然と足取りも軽くなった。

しばらく歩くと、空がほのぼのと明るくなってきた。

山林には鳥のさえずりが響き渡り、陳飞はその鳥の声を聞きながら心地よさを感じていた。

二人が村に戻った時には、すっかり夜が明けていた。陳飞は一刻の猶予も許さなかった。

明月を連れて西側の竹楼へ...