章 357

陳飛は廖鸿章の様子を見つめ、その表情には娘に対する父親特有の罪悪感と深い自責の念が滲んでいた。言葉につまり、何も言えなくなっている。

それに触れて、彼は思わず自分の父親のことを思い出した。

陳飛が何か慰めの言葉をかけようとした矢先、廖鸿章はすぐに感情を抑え込み、話を続けた。

それに陳飛は大人しく口を閉ざすしかなかった。

「私は美惠の病状をすべての人に隠してきた。ただ私が生きている間に彼女を治したいと思ったからだ。彼女だけが廖家の企業を継ぐ才能と資格を持っているのだから」

廖鸿章は言い終えると、何かを思い出したように、テーブルの下から精巧な紅木の箱を取り出した。

そして蓋を開け、中からアルバムを...