章 40

陳飛はその人が近づいてくるのを見た。ゆったりとしたパーカーにジャージ、スニーカーを履いている。他の誰でもない、前回自分が額をはじいたあの小柄な女性警官だった。急いで顔を手で覆い、うつむく。太った友達の妹の先輩がチケットを渡しながら言った。「さあ、入りましょう。あれ、もう一人いるんじゃなかった?」

陳飛は頭を股間に埋めるほど下げ、手を伸ばして、できるだけ顔を見せないようにしながら言った。「こんにちは……」

太った友達は不思議そうに言った。「飛兄、どうしたんだ?首でも痛めたのか?」

陳飛はその言葉に乗じて言った。「ああ、ちょうど頭を上げた時に、うっかり首を痛めてしまったんだ。あの、先に入って...