章 409

「もちろん、陳飛は蘇浅語がどんな腹を探っているのか知る由もなかった。

まして自分が軍の諜報員同士の無言の殲滅戦に、いつの間にか巻き込まれていることなど、知るはずもなかった。

背筋に冷たいものを感じた陳飛は立ち上がり、ドアの方へ向かった。蘇浅語がどうして自分がムーンライト・マジェスティックにいることを知っているのだろうか?

個室のドアを開けると、サービススタッフの姿すら見えず、ましてや蘇浅語の姿などあるはずもなかった。

陳飛は考えた。あの女は軍の人間だ。自分の電話番号を知っているなら、ちょっと位置を特定するだけで自分の居場所など簡単に分かるだろう。

そう思いながら、陳飛は電話で問い詰めよ...