章 539

「はっ、陳飛は振り払われても怒らず、にやにや笑いながら看守に言った。「警官さん、すごく美味しい店を知ってるんですよ。夜遅くに麺類なんて食べたら消化に悪いでしょう」

そう言うと、また看守の腕を引っ張った。おそらく陳飛のしつこさに根負けしたのか、単に食事するだけなら別にいいだろうと思ったのか、結局看守は抵抗をやめた。どうせ彼は何も知らないのだから。

結局、板麺店の女将さんは二人の男が店の前でもみくちゃになった末に立ち去る様子を見て、かなり複雑な気分になった。

省立病院は陳飛にとって馴染みのある場所だった。以前サトがつかまった時に入院していて、夜になるとこっそり抜け出しては食べ歩いていたのだ。...