章 620

陳飛はいつから皮肉を言うクセがついたのか分からなかったが、それも悪いことではなかった。少なくとも以前より前向きで積極的な人間になれたのだから。

明らかに、虎は自分で写真を撮ったりしない。だが、すぐに噛み付こうともしない。それはなぜだろう。

しかも陳飛は、虎に首を咥えられている状態で、その獰猛な牙から流れ出る生臭い唾液が首筋にじわじわと染み込んでくるのを感じていた。これを見ると、この獣はすでに口に入った獲物の味を確かめたがっているはずだ。

だから陳飞は確信した。きっと誰かが妖術でこの二匹の虎を操っているのだと。

そうなると結果は明白だ。間違いなくあの狐狸精だろう。周りに他に誰がいる?そん...