章 652

別の隊へと歩きながら、陳飞はずっと周囲の状況を観察していた。救出に適したタイミングを探していたのだ。

そして気づいた。まさに天の助けだ。自分がこの隊に属していないなら、正々堂々と隊列を離れてローラのところへ行けるではないか。

陳飞は左右を見回してから、ゆっくりとその場所へ歩み寄った。ローラは今、半昏睡状態にあった。彼女が何に遭遇して今の状態になったのか分からないが、今はそんなことを考えている場合ではない。

彼はローラが吊るされている柱の下に立ち、位置を定めると、黒貂を一振り。刃が正確に縄を擦り、木に突き刺さった。

鋭い刃物に切られた縄が断たれ、ローラはそれと共に地面に落ちた。手足は縛られていた...