章 706

足音が止まると同時に、陳飞も足を止めた。強い好奇心が彼に振り向いて見たいと思わせた。彼も元軍人だ。敵に背を向けることがどれだけ危険なことか知っている。

その瞬間、小雨の目は陳飞の背後に釘付けになっていた。極度の恐怖を帯びた眼差しで。彼の心も冷たく沈んだ。

陳飞が反応する間もなく、小雨が言った。「小陳、早く上がって。あなたの後ろに何かいるわ」

陳飞はバカではない。自分の背後に何かいること、しかもろくでもないものがいることはわかっていた。彼は「うん」と短く返し、小雨のところへ上がろうと足を上げた。

好奇心があっても、まずは安全な場所に行ってからだ。今は二人の間に挟まれて、どっちつかずの状態...