章 963

先ほど、蘇浅語は一時の感情に任せ、焦る気持ちのあまり、外部の人間がいることをすっかり忘れてしまっていた。

彼女個人は気にしなくても、彼女の身に着けている軍服はそうはいかない。

階級章は付けていなかったとはいえ、目ざとい者に見られれば、それは小さな問題では済まないだろう。

万が一噂が広まれば、一人の軍人が国家反逆者の家を訪れたとなると、軍事法廷に引っ張られかねない大事になる。

周南音と沈嘉琪は蘇浅語を見かけた瞬間、同じことを考えた。この人は政府から派遣された者ではないだろうか?

だが、蘇浅語が陳飛の家を見て取り乱す様子を目にして、周南音はすぐに先ほどの考えを打ち消した。

仮に政府からの人間だっ...