章 99

「陳飛は停車すべきことを分かっていたが、さっきの恐怖から解放されたと思った矢先、今度は腹が悲鳴を上げ始めた。この辺りは開けっ広げで、店どころかトイレさえない。これはどう考えてもまずい。もし警察に連行されでもしたら、トイレにも行けず、それこそ人間として大恥をかくことになる」

考えはそうでも、腹痛は少しも和らぐ気配がなかった。沈嘉琪が陳飛に停車を促し、尋ねた。「いったい何をするつもり?」

陳飛は歯の隙間から絞り出すように言った。「トイレを探してる」

その言葉を聞いた沈嘉琪は、陳飛のあの比類なき「芥子爆弾」を思い出し、一瞬で口をつぐんだ。陳飛の運転はさほど速くなかったため、後ろのパトカーを振り...