章 45

「あのクソガキ、マジで――」

「待って!」

「無理。あんたが追いつくか、それとも授業にでも行きなさい!」

突然走り出したにもかかわらず、俺はリタを追いかけながらも、なんとか肉離れを起こさずに済んだ。なぜ俺たちが急いでいるのか正確には分からないが、なんとなく見当はついていた。

学校の正面玄関に近づくと、警備員たちがピクリと反応し、慌てて身なりを整えるのが見えた。彼らのことはぼんやりと覚えていた。数ヶ月前にプールあたりで見かけたのかもしれない。

「す、すんませーん! 家族に緊急の用事がぁぁ!」

彼らが一瞬ためらった隙に、リタはドアを通り抜け、俺もすぐ後に続いた。

俺たちはすぐに右に曲がり、校舎の脇...