章 50

「もう治ってるはずなのに」アレックスの声には苛立ちが滲んでいた。

彼の体はバネみたいに強張り、今にも弾けそうだ。

「私たちには理解できない力が働いているのよ。でも、解明しようと努力はしているわ……」彼のお母さんが、優しく安心させるような声で言った。

「だから……他のヒーラーを呼ぼう。別の群れから」アレックスは言い張った。

「まずは次の検査の結果を待とう」彼のお父さんが言った。「それで何か分かるかもしれん」

「もう十分待った気がする!」アレックスはカッとなり、声を荒らげた。

アレックスがあんなに苦しんでいるのを見るのは辛い。普段はあんなに明るくて屈託のない人なのに。

お母さんが咎めるように彼を睨...