章 55

私が不機嫌そうに見えるとしたら、それは実際に不機嫌だからよ。アレックスは私の表情にたじろぎ、今度は彼がどもる番だった。

「あ……うん……いや、俺は――今は重要じゃないから言わなかったんだ」

彼はタラに不満げな目を細めるが、タラの物腰は穏やかで温かいまま。まるで彼がどんな反応をするか予期していて、それに全く動じないかのようだ。

「私はそうは思わないわ」とタラは答える。「あなたはどう、シンシア?」

「ええ、そう思うわ!」私はテーブルの下でアレックスの脚に手を置く。「どうして? どうして、私に……教えてくれなかったの?」

「どうでもいいことだろ」

「そんなことないわ!十八歳なのよ!」

「狼人間が十八...